表千家のお稽古場を変わりたくなったときは、慎重かつ礼を尽くして行動することがとても大切です。茶道では「先生と弟子」「お稽古場とのご縁」を大事にするため、単なる「教室の乗り換え」とは異なる扱いになります。転勤などを除き、お稽古場を変えるということは、自身も途中で投げ出してしまう信用のない生徒だというレッテルにもなります。
以下に、心構え・手順・注意点を丁寧にご説明します。

🍵 お稽古場を変わりたくなったときのポイント
1. なぜ変わりたいのか?
まずはご自身の理由を整理しましょう。たとえば:
- 引っ越しなど物理的な事情
- 稽古日や時間が仕事と合わなくなった
- 教え方が合わない、もっと上を目指したい
- 人間関係の問題(繊細な扱いが必要)
理由によって、伝え方や手続きの仕方が異なります。
🌿 基本的な流れとマナー
① まずは「今の先生にご相談」
原則として、勝手に辞めたり他の先生のところに行ったりはしない方がよいです。
お稽古場の先生に対し、以下のように丁寧にお話しましょう。
🎙️ 伝え方の例:
「先生には大変お世話になっており、感謝しておりますが、諸事情により、お稽古をしばらくお休みしたいと思っております。」
あるいは「引っ越ししても表千家のお稽古を続けたい気持ちがありまして…、ご相談させていただければと思います。」
※最初から「辞めます」「変わります」とストレートに言わず、相談という形を取るのが最低限の礼儀です。
② 必要があれば「紹介状」や「免状の引き継ぎ」
表千家では、次のお稽古場に移る際に紹介状(紹介を兼ねた口添え)が必要になる場合があります。
また、すでに取得した免状を次の先生が確認・引き継ぎするため、その旨を今の先生にご相談しておくとスムーズです。
③ 次のお稽古場を探す(先生の許可や了解を得てから)
できれば今の先生から紹介してもらうのが理想ですが、遠方などで自分で探す場合は以下のような方法があります。
- 表千家同門会へ紹介をお願いする
- 茶道具店や和菓子店で聞く
- 公民館やカルチャーセンターの茶道講座
- 友人や知人の紹介
④ 次の先生にも「以前のお稽古場のこと」を伝える
新しい先生には、以下のことをきちんと伝えるのが信頼関係の第一歩です。
- どこで誰に習っていたか
- どの程度の経験か(免状があるか)
- 今回どうして移ることになったのか
⚠️ 注意点・NGなこと
NG行動 | 理由 |
何も言わずに辞める・突然来なくなる | 不義理になり、表千家内での自分自身の信頼に関わることも |
移った先で前の先生の批判をする | 茶道界は狭く、すぐに伝わり大変失礼になります。また自分自身の信用も落とします。 |
自分の判断だけで免状の扱いを変える | 先生の許可なくは不可です |
💡 まとめ
ステップ | 行動 |
① | まず今の先生に相談(辞めるではなく「ご相談」の形で) |
② | 必要なら紹介状や免状の引き継ぎについて聞く |
③ | 次のお稽古場を慎重に探す |
④ | 新しい先生にもきちんと背景を説明する |
注意 色々な事情で辞めたくなった時も、暫くお休みして気持ちや環境が落ち着き、また再開したり、辞めることを後悔することが多くあります。初心者ならでは、だれもが通る道なのかもしれません。
一度冷静になり、どのお稽古場に行っても一長一短やそれぞれの特色があり、表千家のお稽古という意味では大差ありません。ご縁を大切にして、一度出会った先生とそのお稽古場で、無心になって習得し、茶の湯を感じること、それが表千家の茶道を身に着ける最短で最大の財産になると思います。
映画「日日是好日」のストーリーと辞めたくなる時期があるのは同じですね。
人間ですからだれもが通る道で、大切なご縁を失わないように。