表千家のお稽古で「いつまでも上達しない」と感じるとき──それは、茶道を学ぶ上で誰もが一度は通る道です。あなたが真剣に取り組んでいる証拠でもあります。とはいえ、気持ちがつらくなってしまうのも自然なことです。ここでは、そういうときにどう向き合えばよいかを、茶道の考え方も交えてお話しします。

🍃 なぜ「上達しない」と感じるのか?
まずはその気持ちを冷静に見つめてみましょう。
原因になりがちなこと | 例 |
他の人と比べてしまう | 「あの人はもう免状もらってるのに…」 |
何年もやっているのに変わらない | 「ずっと初歩のお点前ばかり…」 |
注意されてばかり | 「また同じことで怒られた…」 |
正解が見えない | 「これでいいのか分からない」 |
➡️ これらは多くの学習者が感じる共通の壁であり、決してあなた一人の問題ではありません。
🍵 茶道には「遅くても、深く学ぶ」文化がある
茶道では、「早くできること」よりも「心を込めて丁寧に行うこと」が重視されます。
表千家の教えにも通じる心構え:
「守・破・離(しゅ・は・り)」
- 守(しゅ):型を忠実に学ぶ時期(=なかなか上達を感じにくい時期)
- 破(は):徐々に自分の工夫を加える
- 離(り):型から自由になり、真に理解する境地
あなたが「上達しない」と思っているのは、まさにこの**「守」**の段階。ここを通らなければ、次へは進めません。
🌱 上達が見えないときのヒント
1. 目に見えない上達を見つけてみる
- 正座が長くできるようになった
- 道具の扱いが自然になってきた
- 客としての気遣いがわかってきた
- 自分で点前の流れを思い出せるようになった
💡 茶道の「上達」は、技術だけではなく心の変化や所作の美しさにも表れます。
2. 先生や先輩に素直に相談してみる
- 「自分では進歩していないように感じるのですが…」と正直に。
- 先生は、あなた自身が気づいていない進歩を見ていることも多いです。
3. 小さな目標を立てる
- 「来月は一つの点前に自信を持って通したい」
- 「お茶碗の扱いをもっと丁寧に」
- 「菓子の出し方をきれいに覚えたい」
➡️ 上達の実感=目標と達成の繰り返しで育ちます。
4. 思い切って「休む」または「視点を変える」こともあり
- 気持ちが追い詰められてしまう前に、2か月ほどに距離を置くのも選択肢の一つ
- お客としての茶会参加や、和菓子・花・香の勉強など「間接的な学び」もプラスして気持ちを切り替えてみるのも◎
💬 先人の言葉にも学ぶ
「茶は服のよきように」(千利休)
➡️ お茶は「自分の身の丈にあった、自分なりのやり方」で良い。人と比べなくていいのです。
「一生勉強、一生稽古」(裏千家・淡々斎宗匠)
➡️ 茶道に“完成”はありません。上達しないと感じるその心も、学びの一部です。
💌 最後に:あなたが気づいていない成長もある
茶道は、ゆっくりと、自分の中に育っていくものです。
「いつまでも上達しない」と感じたときこそ、視点を変えてみてください。
- 昔は緊張していたことが、今は落ち着いてできる
- 所作の意味を考えるようになった
- 静かな時間を大切に思うようになった
これらすべてが、上達のあかしです。